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林田力『東急コミュニティー解約記』(Replacement from Tokyu Community)はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急コミュニティー管理では不動産を守れない実態が明らかにする。
日本中に感動をもたらした伊達直人現象であるが、その政治性は冷静に分析する必要がある。
伊達直人は梶原一騎原作の漫画『タイガーマスク』のヒーローである。伊達直人現象の亜種として登場した矢吹丈も同じく梶原一騎作品『あしたのジョー』の主人公である。ここからは寄付者の正体は梶原作品に感動した世代の人間であると推測できる。実際、インターネット掲示板「2ちゃんねる」ユーザーの寄付者は「ムスカ(『天空の城ラピュタ』のキャラクター)を愛するVIPPER」となっていた。
しかし、梶原作品のキャラクターが使われたということには、当該作品が特定世代に人気であったという以上の意味がある。梶原作品は格差や貧困、差別を直視しているためである。梶原作品の多くの主人公は差別され、貧困に苦しむ側の人間である。伊達直人も矢吹丈も孤児であった。その意味で児童養護施設への寄付者の名前に梶原作品のキャラクターを使用することはマッチしている。
一方で別の文脈から見れば寄付者の名前に梶原作品のキャラクターを使用することほど不釣合いなこともない。先進諸国と比べれば見劣りするものの、戦後日本の福祉は戦前から飛躍的に向上した。それは人権の尊重や男女平等、子どもの権利、家父長制の否定などを掲げる戦後民主主義の成果である。
これに対して梶原作品は戦後民主主義とは対極的な価値を描いた。『巨人の星』の星一徹が典型である。日本の福祉の担い手の主流は戦後民主主義の信奉者達であった。これに対して伊達直人現象は右からのアプローチと分析できる。それ故にリベラルを気取る市民がマスメディアの報道に乗せられて、伊達直人現象に感動することは滑稽である。
その点で日本共産党の機関紙・赤旗が伊達直人現象に冷静であることは自然である。赤旗では「タイガーマスクが1万人いても施設の現実は変わらない」という施設職員の言葉を引用しつつ、児童養護施設の抱える構造的な問題を提起している(「どうみる『タイガーマスク』」赤旗日曜版2011年1月23日号)。
現代日本において苦しむ人の受け皿になれる団体や運動は左派ばかりである(林田力「主権回復を目指す会が在特会を批判」PJニュース2010年8月21日)。
http://www12.atpages.jp/~hayariki/haya/cul/fmw.htm
これが日本の現実であるが、思想としての右派が苦しむ人の受け皿になれない訳ではない。戦前の日本でファシズムを推し進めた青年将校や右翼の念頭にあったものは東北を中心とした農村の窮乏であり、財閥への怒りであった。もっと遡れば明治維新の原動力になった尊皇思想も一君万民の思想に結び付く。
ところが、戦後右翼は戦争に負けたショックが激しく、連合国に無条件降伏した事実を善戦虚しく大国アメリカに敗北したと都合よく変換し、対米従属を肯定する「雇われ右翼」に成り下がった。近年になって急成長したネット右翼や「行動する保守」も嫌中や嫌韓を煽り、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を敵視するもので、対米従属路線の枠内にある。また、在日コリアンを差別する排外主義が特徴になっており、貧困や差別問題の担い手にはなり得ない。
これに対し、梶原作品は右翼的ではあっても、貧困者や被差別者の立ち位置にある。これは自らを多数派である日本人の一人と位置付けて、少数派の在日コリアンを排斥するネット右翼らとの大きな相違である。もし日本社会に右派の存在意義があるならば、貧困や差別と闘う梶原作品的な右派になる。
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